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基本情報
- タイトル: マイホームヒーロー
- 作者: 原作：山川直輝、作画：朝基まさし
- 出版社: 講談社
- 連載誌: 週刊ヤングマガジン
- ジャンル: クライム・サスペンス、家族ドラマ
『マイホームヒーロー』は、2017年から2024年にかけて『週刊ヤングマガジン』で連載された、山川直輝（原作）と朝基まさし（作画）によるクライム・サスペンス作品です。この作品は、累計発行部数が400万部を突破し、多くのファンを魅了しました。2023年にはテレビアニメとドラマ化が行われ、さらに2024年には映画版の公開も予定されているなど、メディアミックス展開が活発です。
物語は、家族を守るために普通のサラリーマンが犯罪の世界に足を踏み入れるというスリリングなストーリーを軸に展開されます。そのリアルで緊迫した描写が、多くの読者の心を掴み、続巻への期待を高めています。
作者
山川直輝（やまかわ なおき）
原作を担当している山川直輝は、『100万の命の上に俺は立っている』などで知られる人気作家です。彼の作品は、緻密なプロットとスリリングな展開が特徴で、読者を物語の世界に引き込む力があります。『マイホームヒーロー』でもその才能が存分に発揮されており、ページをめくるたびに驚きと緊張感を提供します。
朝基まさし（あさき まさし）
作画を担当する朝基まさしは、『サイコメトラーEIJI』や『シバトラ』などのヒット作で知られる実力派漫画家です。彼の描くリアルなキャラクター表現と緻密な背景描写は、物語に深みを与え、読者をストーリーに引き込みます。また、緊迫したシーンや感情の起伏を細やかに表現する技術は、『マイホームヒーロー』のサスペンス要素を一層際立たせています。
キャラクター紹介
鳥栖哲雄（とす てつお）
本作の主人公で、40代の平凡なサラリーマン。家族を第一に考え、特に娘・零花を深く愛しています。彼は推理小説の愛読者であり、自身でも趣味として小説を書いています。そんな彼が、家族を守るために突如として犯罪者となり、複雑な心理状態に追い込まれていきます。
鳥栖零花（とす れいか）
哲雄の一人娘で、大学生。普段は明るく、家族思いの優しい性格ですが、ある日突然、顔に暴力の痕を残して帰宅し、物語が大きく動き出すきっかけとなります。彼女の安全を守るために、父親である哲雄は重大な決断を下します。
鳥栖歌仙（とす かせん）
哲雄の妻であり、冷静沈着な女性。夫と共に娘を守るために行動を起こし、その中で彼女自身も大きな試練に直面します。歌仙は、哲雄にとって精神的な支えとなる重要なキャラクターです。
麻取延人（あさとり のぶひと）
零花の恋人として登場するキャラクターですが、実際には冷酷な犯罪者であり、半グレ組織に属しています。彼の登場が、鳥栖家の運命を大きく狂わせることになります。
『マイホームヒーロー』のキャラクター紹介
あらすじ
物語の舞台は、東京に住む普通の中年サラリーマン、鳥栖哲雄の家庭です。哲雄は妻・歌仙と娘・零花と共に、平凡ながらも幸せな生活を送っていました。しかし、ある日、久しぶりに会った娘・零花の顔に暴力の痕を発見したことから、物語は大きく動き出します。哲雄は娘に何が起こったのか問い詰めますが、零花はその理由を語ろうとしません。
その後、哲雄は偶然、零花の恋人である麻取延人と出会い、彼が娘に暴力を振るった張本人であることを知ります。さらに、延人が零花に近づいた理由が、彼女の家族を巻き込む犯罪計画の一環であることを知った哲雄は、家族を守るために衝動的に延人を殺害してしまいます。
哲雄はこの行動を隠すため、妻・歌仙と共に延人の遺体を処理し、証拠を隠蔽します。しかし、延人が属する犯罪組織は、彼の失踪を疑問視し、哲雄の一家に徐々に接近していきます。哲雄は追い詰められながらも、家族を守るためにあらゆる手段を駆使して戦うことを決意します。
感想
第1巻では、平凡な家庭が一転して緊迫した犯罪の渦に巻き込まれていく様子が描かれており、その緊張感が絶妙に演出されています。特に、哲雄が娘を守るために取る行動は、父親としての愛情と覚悟が色濃く表れており、読者は彼の心理状態に深く感情移入することでしょう。
また、哲雄と歌仙の夫婦関係も非常に興味深く描かれており、二人が協力し合って困難に立ち向かう姿には感動を覚えます。物語全体を通じて、家族の絆が強調されると同時に、それが試される瞬間が多く描かれているため、読者は彼らの行く末に一層の関心を寄せることになります。
みどころ
『マイホームヒーロー』の最大の魅力は、平凡な父親が家族を守るために「普通ではない選択」を迫られる瞬間にあります。1巻では、哲雄が延人を殺害する決断を下すまでの緊張感が特に際立っています。彼が推理小説の知識を活かして証拠を隠蔽するシーンは、まるで実際の犯罪が起こっているかのようなリアリティがあります。
また、物語の展開が非常に速く、次々と起こる予期せぬ出来事が読者を飽きさせません。哲雄の心理描写も細かく描かれており、彼がどのようにして犯罪者になっていくのか、その過程を追体験することができます。この緊迫した物語の展開が、読者に強い印象を残し、続巻への期待を高める要因となっています。
ネタバレ注意：衝撃の展開
1巻の終盤で描かれる哲雄の行動は、物語のクライマックスと言えるでしょう。娘の恋人であり、犯罪組織の一員である麻取延人を殺害するという衝撃的な展開が、読者に強烈なインパクトを与えます。この決断は、哲雄にとって一線を越えるものであり、彼の人生を一変させることになります。
この場面では、哲雄が推理小説の知識を駆使して遺体を処理し、証拠を隠蔽しようとする姿が描かれます。バスルームでの遺体処理のシーンは、緻密な計画と焦りが入り混じる非常に緊張感のある場面であり、読者に深い印象を与えます。このシーンを通じて、哲雄がどれだけ家族を守ることに執着しているかが明らかになり、彼の行動がその後の展開にどのように影響するのか、読者は興味を持って次の巻を手に取ることでしょう。
哲雄の葛藤と家族愛
哲雄が殺人を犯した後、その行動が彼自身に与える心理的な影響が非常に丁寧に描かれています。彼は家族を守るために仕方がなかったと自分に言い聞かせますが、同時にその行動に対する罪悪感や恐怖も抱えています。彼の内面の葛藤は、家族に対する深い愛情と、それを守るために手段を選ばない覚悟の狭間で揺れ動く様子が描かれています。
特に、哲雄と妻・歌仙の関係性は重要です。歌仙は哲雄の行動を支持し、共にその罪を隠蔽するために動きますが、夫婦としての絆が試される場面も多々あります。彼らの協力と支え合いが、物語を進める上で重要な役割を果たしており、読者にとっても感情移入しやすい要素となっています。この二人がどのように困難を乗り越えていくのか、その過程は物語全体のハイライトの一つです。
第1巻のまとめ
『マイホームヒーロー』第1巻は、普通のサラリーマンである哲雄が家族を守るために犯罪の世界に足を踏み入れるきっかけを描いた、非常に緊張感のある作品です。哲雄の行動は一見すると極端なものでありながらも、彼の家族愛や父親としての責任感が強く伝わってきます。物語の中で描かれる家族の絆とその試練は、多くの読者に共感を呼び起こし、続巻への期待を高めます。
1巻では、哲雄が初めて犯罪に手を染める衝撃的な展開が描かれ、彼の今後の行動がどうなるのか、そして家族がどのような運命をたどるのかが非常に気になる終わり方をしています。物語の進行と共に、哲雄のキャラクターがどのように発展していくのか、そして彼の選択が家族全体にどのような影響を与えるのかが、読者にとって大きな見どころとなるでしょう。
『マイホームヒーロー』は、サスペンスと家族ドラマが巧みに織り交ぜられた作品であり、その緻密なストーリーテリングと感情豊かなキャラクター描写が、多くの読者を惹きつけます。第1巻はその導入部として、物語の世界観や登場人物たちの背景をしっかりと描き出し、今後の展開への期待を高める役割を果たしています。これからの物語がどのように展開し、哲雄がどのような選択をするのか、続巻を読むことでその答えを見つけていくことができます。
